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豊橋市男女共同参画推進条例解説3

 条文と解説(2)

第1章 総則

目的

第1条 この条例は、男女共同参画の推進について、基本理念を定め、市、市民、事業主、市民活動団体及び教育に携わる者の役割を明らかにするとともに、施策の基本的事項を定め、これを総合的、計画的に推進することにより、男女共同参画社会の形成に寄与することを目的とする。  

〔解説〕
 男女共同参画社会基本法の第9条に地方公共団体としての責務が示されています。この趣旨に沿って策定した「豊橋市男女共同参画行動計画」の実効性と継続性をより確保するとともに、市、市民、事業主、市民活動団体等と協働しながら男女共同参画社会の実現を図るため条例を定めました。この条例は、男女共同参画社会実現のための基本方針を明らかにするもので、施策に関して基本的事項を定め、具体的な取組については、行動計画として変化する情勢等に対応しながら進めていきます。

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定義

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)男女共同参画
 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野(以下「社会のあらゆる分野」という。)における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2)積極的改善措置
 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(3)セクシュアル・ハラスメント
 性的な言動により相手方の生活環境を害すること、又は性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与えることをいう。
(4)ドメスティック・バイオレンス
 配偶者等に身体的、精神的、性的又は経済的な苦痛を与える暴力的行為をいう。

 〔解説〕
 この条例で用いられている共通認識の必要な言葉について定義しました。

(1)「共同参画」とは、単に男女が対等に参加するということではなく、その場において政策・方針の決定、企画等に加わるなど、より主体的な参加姿勢を意味しています。

(2)「当該機会を積極的に提供する」とは、男女が対等な構成員として、自らの意思によって活動に参画することについて、機会の平等を実質的に保障しようというものです。

(3)セクシュアル・ハラスメントについては、男女雇用機会均等法では職場における女性労働者に対する行為として規定していますが、男女共同参画社会を実現していく上では、男女や分野を問わない重要な問題と受けとめ、条例では幅広い規定をしました。

(4)ドメスティック・バイオレンスについては、男女共同参画社会の実現にとって性別に起因する暴力の根絶は大きな課題であることから、身体的なもののほか、精神的、性的、経済的なものも含めて位置付けました。

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基本理念

第3条 男女共同参画は、次に掲げる基本理念にのっとり推進されなければならない。
(1)男女が、個人としての尊厳が重んじられ、性別による差別的取扱いを受けることなく、自己の意思と責任によりそれぞれの生き方を選択し、個性と能力を発揮する機会が均等に確保され、及びその他の人権が尊重されること。
(2)性別による固定的な役割分担意識に基づく社会制度や慣行が、男女の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。
(3)男女が、対等な構成員として社会のあらゆる分野で方針の決定、計画の立案等に参画する機会が確保されること。
(4)家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下、子の養育、家族の介護等の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、その他の活動と両立できるよう配慮されること。
(5)男女が、互いの性を理解し、尊重するとともに妊娠、出産その他の性と生殖に関する事項について、生涯を通じて健康的な生活を送ることができるよう自らの意思が尊重されること。
(6)男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係にあることから、国際的な理解と協力の下に行われること。

 〔解説〕
 男女共同参画社会基本法の基本理念の趣旨に沿って定めました。
 基本理念は、条例第4条以下で示したそれぞれの役割を果たす上での基本的な考え方となるものです。

(1)男女共同参画社会を形成する上で、その根底を成す基本理念として、男女の人権の尊重を掲げました。男女共同参画基本法においても、男女の人権が尊重される社会の実現が緊急かつ重要であることを考慮して男女共同参画社会の形成を推進することを明示しています。
 また、人権尊重の内容については、男女共同参画基本法に準じて「個人としての尊厳が重んじられること」「性別による差別的取扱いを受けないこと」「個性と能力を発揮する機会が均等に確保されること」「その他の人権」として例示しました。
 性別に起因する暴力などの人権侵害を受けず、人格が尊重され、性別による差別的な取扱いを受けず、また性別による固定的な役割分担意識にとらわれることなく男女が個性と能力を発揮する機会が均等に確保されることは、憲法にうたわれている個人の尊重、男女平等の理念の実現を前提とした男女共同参画社会の形成にとって極めて重要です。

(2)男女が個性と能力を十分に発揮することができるためには、自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されることが必要です。そのためには、社会における制度や慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されることが重要です。たとえば、「男は仕事・女は家庭」「男性は主要な業務・女性は補助的な業務」等固定的な考え方が強調されると、役割を固定的に分けてしまいがちになります。男女が互いに尊重しながら、能力等によって自由に役割を選択できることが望ましい社会のあり方と考えます。

(3)社会の構成員である男女が、社会のあらゆる分野で方針の決定、計画の立案等に共同して参画する機会が確保されることは、男女共同参画社会の基本と考えます。また、参画する機会について、形式的な確保では対等な立場で参画することを保障できないことが考えられます。本人の主体的な意思に基づき、実質的に参画していくことができるよう、様々な条件が整備されなければならないと考えます。

 (4)少子高齢社会の急速な進展など社会経済状況の変化の下で、男女が共に社会のあらゆる活動に参画していくことができるためには、家族を構成する男女が互いに協力し、また社会的な制度などの支援を受けながら、家族の一員としての役割を円滑に果たし、家庭生活と他の活動(働くこと、学校に通うこと、地域活動をすることなど)との両立が図られるようにすることが重要です。このことは、男女が安心して子どもを産み育て、家族としての責任を果たすことのできる社会を形成する上でも重要と考えます。

(5)男女が、互いの身体の特徴について理解に努め、思いやりを持ち、いたわりあって生きていくことが重要です。特に、女性は妊娠、出産などに関し、男性とは異なる身体的な特徴があり、そのための配慮が必要です。男女が生涯にわたり健康的な生活を送ることができることは、男女共同参画社会を形成していく上でも大切なことです。妊娠や出産などについて、互いに尊重しあいながら、相手の理解と協力の下にその意思が尊重されることが、生涯を通じての健康的な生活を送るための大切な要素と考えます。

(6)日本における男女共同参画社会の形成の促進は、国際社会の取組と連動して進められてきました。本市においても、国や県と歩調を合わせながら、男女共同参画に関する情報の収集や提供に努め、取り組んでいくことが大切です。
 また、本市には、多くの外国人の方が居住しています。その人たちと相互に理解を深め、尊重し合い、安心して生活できる環境づくりを進めていくことが必要と考えます。

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市の役割

第4条 市は、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的、計画的に実施するものとする。
2 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するに当たり、国、県、市民、事業主、市民活動団体等と相互に連携し、協力を図るよう努めるものとする。
3 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するために必要な体制を整備するとともに、財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
4 市は、自らが率先し、男女共同参画を推進するものとする。

 〔解説〕
 男女共同参画社会を形成していくためには、市が課題に対応する施策を策定し、市民の皆さんたちの理解と協力の下に進めていくことが重要です。また、男女共同参画に関する施策は、市の施策全体にかかわっており、そのための体制の整備等が必要です。更に、市自らも率先して男女共同参画の推進に努め、範を示していくことが大切と考えます。
 男女共同参画の推進に関する市の施策として策定した「豊橋市男女共同参画行動計画・とよはしハーモニープラン21」は、5つの基本目標を掲げ、それぞれの課題に対応した施策の方向を体系化しています。

〔5つの基本目標〕

  1.  人権を尊重した男女共同参画意識の高揚
  2.  あらゆる分野での男女共同参画の促進
  3.  男女が働きやすい環境づくり
  4.  生涯を通じた健康の保持と、安心できる生活環境の整備
  5.  計画を推進する体制の整備

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市民の役割

第5条 市民は、社会のあらゆる分野において、男女共同参画についての理解を深め、男女共同参画の推進に努めるものとする。
2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 〔解説〕
 男女共同参画社会を形成していくためには、市が取り組む施策の推進とあわせ、市民の皆さん一人ひとりが男女共同参画についての理解を深め、家庭、職場、学校、地域その他の活動の中で、実践者としてできることに取り組むことが大切です。また、市が取り組む施策の効果をより高めるためにも、市民の皆さんたちの理解と協力が重要と考えます。
 この条例でうたう市民とは、豊橋市における男女共同参画のまちづくりの視点から、市内に住所のある人だけでなく勤務及び在学している人など幅広くとらえています。

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事業主の役割

第6条 事業主は、男女が職場における活動に対等に参画する機会を確保するとともに職場、家庭その他の活動が両立して行うことができるよう職場環境の整備に努めるものとする。
2 事業主は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 〔解説〕
 男女共同参画社会を形成していく上で、事業所での取組は大きな影響を持っており、事業主の役割は非常に重要です。事業主の役割として、男女が性別にとらわれず個人の能力に応じた雇用管理、価値観やライフスタイルなどにおける多様な働き方に対する適切な処遇や労働条件の確保など、安心して働き充実した職場生活を営むことができるような職場環境を整備することが必要と考えます。
 また、家庭と職場、その他の活動の両立が図られるようにすることが男女共同参画の課題となっていますが、そのためには労働時間の短縮や育児休暇、介護休暇を取りやすくするための環境づくりなどが大切です。
 この条例でうたう事業主とは、市内で事業活動を行う個人企業又は会社等の法人で、主に労働関係における経営者をさしています。

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市民活動団体の役割

第7条 市民活動団体は、その活動に関し、方針の決定、計画の立案等において男女が共に参画する機会を確保するよう努めるものとする。
2 市民活動団体は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 〔解説〕
 地域社会には、住民の福祉向上のために市民活動をしている様々な団体があります。
 これらの団体は、地域社会に対する影響力も大きく、男女共同参画社会を形成していく上で、その役割も大きなものがあります。
 生活に身近な地域社会での活動の中で、方針の決定や計画の立案の場に男女が共に参
画する機会が確保され、共に地域の一員としての役割を果たすことが、暮らしやすいまちづくりにとって必要なことと考えます。

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教育に携わる者の役割

第8条 家庭教育、学校教育、社会教育その他の教育に携わる者は、男女共同参画の基本理念に配慮して教育を行うよう努めるものとする。

 〔解説〕
 教育は、価値観の形成に大きな影響力があります。教育の場において、男女共同参画の理念に配慮された教育活動が実践されることは、男女共同参画社会を形成していく上で大きな効果をもたらすものと考えます。教育に携わる人たちが、男女共同参画についての十分な理解の下に教育活動に取り組むことが大切と考えます。

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性別による権利侵害の禁止

第9条 何人も、社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱い及びセクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。
2 何人も、個人の尊厳を踏みにじるドメスティック・バイオレンスを行ってはならない。

 〔解説〕
 基本理念の(1)で男女の人権の尊重を掲げていますが、ここでは性別による権利侵害を禁止事項として明示しました。
 性別による差別的な取扱いや性に起因する暴力の根絶は、男女共同参画社会の実現にとっての大きな課題です。特に、ドメスティック・バイオレンスは、これまで個人的な問題としてとらえられがちでしたが、男女の人権の尊重が強調されてきた中で重大な人権侵害としての認識が高まってきました。本市においても、相談窓口での相談件数は増加傾向になっています。性別による権利侵害に対する意識を強め、根絶すべき社会的課題としての認識を広げていくことが必要です。

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情報の表示に関する留意

第10条 何人も、広報、報道、広告等において、性別による固定的な役割分担若しくは暴力を助長させる表現又は過度の性的表現を行わないように留意するよう努めるものとする。

 〔解説〕
 ポスター・広告など公衆に表示する情報は、人々の意識に大きな影響を及ぼす可能性があります。表現の自由は、憲法で保障された権利であり、尊重されるべきですが、一部のメディアに女性の性的側面のみを強調したり、女性などへの暴力を助長させたり、連想させたりする情報も見受けられます。公衆に表示する情報は、男女の人権を尊重した表現を行うよう、自主的に留意することが必要と考えます。