ノスタルジック豊橋
<インタビュー編>
どこか懐かしく、あたたかい街・豊橋で、人と人をつなぐ場づくりや、
イベントづくり、子育てファミリーや地域をつなぐ活動をされている方々に、
活動の内容や想いについて、お話を伺いました。
「今度は私が恩返し」みんなが気軽に集える居場所になるお店づくり
SANTOKU
オーナー
牧野 モコさん
豊橋市出身。アメリカの大学を卒業後、LAにオフィスを置く日本のブランドに就職。アメリカに10年滞在した後、帰国。東京でファッション系PRの仕事に従事。豊橋市に帰郷し、家業である食品卸問屋「三徳商店」の商品を一般のお客様にも手に取ってもらえる場として、2019年に水上ビルにて「SANTOKU」をOPEN。
豊橋で創業80有余年。
老舗卸問屋「三徳商店」
父が三代目をつとめる「三徳商店」は、1932年に小麦粉や砂糖などの食品卸問屋として豊橋で創業しました。実は豊橋って、意外とうどん屋さんが多いんですよ。中でも「にかけうどん」が有名で、お店によって出汁の味が違うので、みんなお気に入りの味で行きつけのお店が違うほど。そんな中で、父は豊橋のうどんのクオリティを更に底上げしようと商品開発に力を注いできました。
今では、東三河で50店舗以上のうどん店のカウンセリングを行い、各店舗それぞれのオリジナル麺をプロデュースしています。
卸問屋オリジナル商品を、
一般のお客様にも手に取ってもらえるお店に
豊橋を離れてからアメリカと東京で10年ずつ暮らし、ファッション系PRの仕事に従事してきたのですが、そろそろ家業である「三徳商店」のPRの仕事にも携わろうと、豊橋へ帰郷しました。「三徳商店」は老舗ではありますが、卸販売業なので一般のお客様に直接商品を手に取っていただける機会がありませんでした。
オリジナル手延べひやむぎも、最初はビニール袋に入れて段ボールに詰め、うどん屋さんに卸していたのですが、美味しいと評判だったので、それならきちんとパッケージからデザインしてオンラインやポップアップで「三徳商店」の名前を出して販売していこうと、BtoCへの道も新たに歩み始めました。その一環で、一般のお客様にも「三徳商店」の商品を購入していただける場として、2019年に水上ビルで老舗食品問屋の提案型ショップ「SANTOKU」をOPENしました。
高校時代、心の拠り所だったこの場所を
大切に引き継いでいきたい
「SANTOKU」は、実は私が高校時代にアルバイトしていた元・古着ショップだった場所。青春の思い出がいっぱい詰まった大切な場所なので、什器もそのまま引き継いで使わせてもらっています。この水上ビルは、私の高校時代はオシャレなブランドの集まるファッションストリートだったんですよ。
今はリノベーションや古着やマルシェといった、物を大切にした地域と人がつながるカルチャーがこのエリアでも人気ですが、こうしたカルチャーの発信基地として、また、子どもやシニアの方をはじめとしたみんなに居心地の良い場所として、これからも「恩返し」として活動していきたいと思っています。
(写真3点全て「SANTOKU」にて撮影)
70年の歴史のある園で、変化を感じ、ワクワクできる多彩なイベントを企画
豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)
管理グループ
三浦 里帆さん
碧南市出身。豊橋市役所に入庁後、現在は豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)の管理グループへ異動。日々スタッフ間での密なコミュニケーションを心掛け、来園していただくお客様に楽しんでもらえるようなイベントの企画や、施設管理業務に携わる。
開園から70周年を迎え、
入園者数が過去最高を達成
「のんほいパーク」として親しまれている豊橋総合動植物公園の歴史は古く、もともとのルーツは明治時代に私設で開設された動物園に遡ります。その後、昭和29年(1954年)に豊橋公園内へ移転し、豊橋市動物園として開園するに至りました。今年で開園から70周年。今では、本格的な動物園、植物園、自然史博物館、遊園地が併設された数少ない公立の複合施設として、近隣にお住まいの方から遠方の方まで幅広い年齢層のお客様にご来園いただいております。2023年には、園内の各イベントが盛況を博し、年間入園者数が過去最高の113万人超を達成しました。
毎年人気の「ナイトZOO」をはじめ、
ワクワクするようなイベントが充実
イベント企画を考える時に大切にしているのは、「のんほいパークだからこそ、できること」。動物はもちろん、自然史博物館や植物園など各施設の魅力を伝えながら、お客様にいかに楽しんでいただけるかをしっかり考え、アイディアを練って意見を出し合うようにしています。例えば、7月下旬~9月下旬には、夜の園内を楽しんでいただける「ナイトZOO」というイベントを毎年開催しています。昨年は「ナイトミュージアム」という企画で、懐中電灯を片手に夜の自然史博物館内を探検するイベントを開催し、皆さんに楽しんでいただけました。
他にもゴールデンウィークやハロウィン、クリスマスなどの季節ごとに、ご家族で楽しんでいただけるようなイベントを開催し、常に新しい旬な情報をお届けできるように、SNSでの情報発信にも力を入れています。
近隣のお客様が、気軽に遊びに行きやすい
身近な施設として
豊橋市の施策として、当園は「生き物や環境への理解・共感の育成」と「人が集まる拠点づくり」が大きなテーマになっています。生き物への共感という点では、当園では講座や体験プログラムを通じて、動物の生態について学び理解を深めてもらう教育的な側面もあります。飼育員から動物の解説を聞く講座の他に、普段は入れないアジアゾウやキリンなどの放飼場で飼育員のお仕事を体験できる飼育員体験プログラムなど、動物をより身近に感じられるイベントも開催しています。
東三河エリアにお住まいの小・中学生のお子様は「ほの国パスポート」利用で入園料が無料になりますので、気軽に遊びにきていただければと思います。
(写真3点全て「豊橋総合動植物公園」にて撮影)
豊橋駅前のランドマークとして、60周年。愛され続ける水上ビル
大豊商店街(大豊協同組合)
代表理事
黒野 有一郎さん
豊橋市出身。大学進学で上京し、卒業後は東京の建築事務所にて勤務。2004年に豊橋へ帰郷し、水上ビルにて「一級建築士事務所建築クロノ」を設立。2008年より駅前エリアのまちづくり協議会「豊橋市駅前大通地区まちなみデザイン会議(駅前デザイン会議)」を立ち上げ、2014年より「大豊商店街(大豊協同組合)」代表理事として多彩な活動を継続中。
豊橋駅前のランドマークとして、
大豊商店街誕生から今年で60周年
大豊商店街の歴史は古く、始まりは1949年の「豊橋市民市場共同組合」設立までさかのぼります。翌年の1950年、「だいほうマーケット」が豊橋駅前大通りに誕生しました。その後、1964年に移転し、用水路上に建てられた全国でも珍しい商店街として、新生「大豊商店街」が誕生することとなりました。
その後建設された豊橋ビル・大手ビルと合わせて3棟からなるこの歴史のある商店街は、地域の人たちから「水上ビル」の愛称で親しまれており、「大豊ビル」は今年2024年12月についに60周年を迎えます。
豊橋へ帰郷した10年後に、
大豊協同組合の代表理事に就任
僕はもともと水上ビル育ち。大学進学で上京し、卒業後はそのまま東京の建築事務所に勤務し、2004年に豊橋へ帰郷。実家のある水上ビルで「一級建築士事務所建築クロノ」を設立しました。帰郷した頃は一番空き店舗が多かった時期で、10店舗以上はシャッターが閉まったままの空き店舗でした。
その後、僕が大豊商店街(大豊協同組合)の代表理事に就任した2014年が、ちょうど水上ビル誕生50周年の年だったので、50周年事業として、タブロイド紙「DAIHOU journal(ダイホウ ジャーナル)」の発行と、「雨の日商店街」というアンティークイベントを始めました。「雨の日商店街」は、6月にイベントがないということで始めたイベントでしたが、当時空き店舗になっていたスペースを掃除して空けてもらい、そこをイベント当日だけアンティークショップとしてお借りしてイベントを開催したところ、店舗スペースとして借りたいという方が増え、うれしいことに今では空き店舗のない状態です。
街の未来に積極的に関わる人々がいる、
開けたフラットな街・豊橋
2006年に「駅前でみんなで話そう」と立ち上げた「駅前デザイン会議」がその後「豊橋まちなか会議」になり、現在の「豊橋まちなか未来会議」へと形を変えてきました。僕は現在、豊橋発展会連盟の立場で「豊橋まちなか未来会議」に参加していますが、企業や大学および学校法人、自治会、鉄道会社、商工会議所など、さまざまな民間の方々が参加して、これから駅前大通りをどうしていこうかというテーマについて話し合っています。
豊橋駅前は昔からハブ・ステーションとして、さまざまな人とモノの交流によって発展してきた街です。玄関としての役割を持ち、土地そのものが開けたフラット(平坦)なので、街自体にも明るくフラットな雰囲気を感じますね。これから移住を考えている人にとっても、入口として入りやすい街なのではないでしょうか。
(写真3点全て「大豊商店街」にて撮影)
月イチ開催の朝市を水上ビルや豊橋を知るきっかけに
TEMTASOBI GINGER
オーナー
中川 清史さん
東大阪市出身。蒲郡市の企業に新卒で入社した後、結婚を機に妻の実家が近い豊橋市へ移住。2018年8月、水上ビルでジンジャーシロップ製造所「TEMTASOBIGINGER」をOPEN。現在は、同じ水上ビル内にあるカフェ「無名 COFFEESTAND」の共同経営者としても活躍。毎月第一月曜日の10:00 ~ 14:00まで水上ビルで開催される朝市を企画。
レトロな雰囲気に心が惹かれた水上ビルで、
ジンジャーシロップ店をOPEN
スノーボード仲間に誘われたイベントへの出店をきっかけに、ジンジャーシロップ作りをはじめ、2018年8月、以前からお店を出すならここにしようと決めていた水上ビルでテナントを借りて、製造所を立ち上げました。
もともとは再生医療に関わる仕事をしていたので、最初は副業としてジンジャーシロップのお店をやっていくつもりだったのですが、いざ始めてみると副業が忙しくなりすぎてしまって。現在は、製造所の他に、同じ水上ビルでOPENしたカフェの共同経営者としても活動しています。
朝市を通して、新しいお客様や
テナント同士の交流も盛んに
水上ビルのことをもっと知ってもらいたいという思いで、2022年からはじめた「朝市」をきっかけに、普段豊橋へ足を運ぶことのなかった新しいお客さまとの接点ができたことはもちろん、水上ビルのテナント同士の交流も深まった気がします。
朝市の開催は、毎月第一月曜日の10時から14時まで。私は東京・大阪をはじめ、台湾のイベントなどにも出店することが多いので、そういった各地のイベントで知り合った出店者さん達もお招きして、今では朝市に合わせてOPENしてくださる商店街の店舗も合わせて、およそ100店舗規模の朝市になりました。ベビーカーを押しながらママ友同士で来られる方や年配の方など、平日開催のマルシェではありますが、幅広い年齢層の方に来ていただいています。
朝市をきっかけに、
周辺の魅力のあるお店を知ってもらいたい
実は豊橋は朝市が盛んな街で、大正時代から続いている昔ながらの朝市もあるんですが、割と知られていなくて。水上ビルにも、バーやライブハウスなど、普段は入りにくくて知られていないけれど、実は面白いお店がたくさんあるので、この朝市がそういったお店を知っていただく1つのきっかけになればと思っています。
朝市に来てくださっている方にアンケートをとると、半数は豊橋市内の方で、10%は県外の方、残りは名古屋や岡崎といった近隣市の方。普段、豊橋にわざわざ来ることはないけれど、朝市のようなイベントがあることで足を運んでもらって、周辺のお店にも興味を持って立ち寄ってもらえるようなイベントへと発展させていければと思っています。
(写真4点全て「無名 COFFEESTAND」にて撮影)
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