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◆スポットの概要
- 沖野は、豊川と朝倉川にはさまれた低地で、畑がひろがっています。
- 金色島は、豊川の蛇行部に土砂が堆積して陸地状になった場所で、地名は「島」ですが陸続きです。
- 三河湾の干満の影響を大きく受け、干潮時には、中洲や砂浜が現れます。
金色島
◆観察のポイント
川沿いに河畔林とヨシ原が発達しています。また、金色島では干潮時の砂浜でヤマトシジミなど汽水域の生物を見ることができます。
植物
沖野
畑付近には在来のスズメノカタビラが多く残っており、河畔林の林縁にはハナウドが見られます。
河畔林
川岸にはヨシ、ツルヨシなどが、河川敷には、エノキ、ムクノキ、タブノキ、モチノキ、シロダモ、メダケ、マダケなどが生育しています。川辺から間近に観察するほか、豊橋市役所の東館13階展望ロビーから河畔林の遠景を観察することもできます。
ヤドリギ
金色島ではエノキなどの落葉樹の大木に寄生しているヤドリギを見ることができます。宿主の幹にクサビ型に根を食い込ませて栄養や水分を横取りします。樹形がこんもりと丸く、常緑なので、冬に宿主の木の葉が落ちたときに遠くからでも目立ちます。
ヤドリギ
動物
汽水域の生物
金色島の砂浜や浅瀬では、ヤマトシジミ、クロベンケイガニ、アシハラガニ、チゴガニ、テナガエビなど汽水域を好む生物を見ることができます。
チゴガニ
水辺の鳥類
沖野の豊川沿いでは、冬にクイナ、オオジュリンなどヨシ原を好む鳥類が生息しています。朝倉川沿いでは、ハクセキレイ、キセキレイのほか、カワセミが見られることがあります。
ハクセキレイ
地形・地質
霞堤(かすみてい)
豊川は、はん濫と流れの変化を繰り返していたため、昔、霞堤(別名よろい堤)とよばれる、途中に切れ目のある堤防が作られました。これは、豊川が増水したときに、堤防の切れ目から川沿いの低地へ水を流してためることによって、水の勢いで堤防がこわれることを防ぐ仕掛けです。今でも、市内の賀茂、下条、牛川、豊川市一宮町金沢に残っています。
汽水域
汽水域は、潮の干満の影響を受け海水と淡水の混ざる水域です。川の生物と海の生物が両方生息するため、豊かな生物生息環境となります。
◆スポット保全のためのポイント
- 豊川の水質保全に努めましょう。
- 市街地近くに残るまとまった自然として貴重なので、河畔林及び河原のヨシ群落の保全に努めましょう。
- 金色島・沖野は、本市における豊川の象徴的風景として、景観保全に努めましょう。
- 現地の生態系の保全のため、外部から動植物を持ち込まないようにしましょう。→ 「外来生物について」はこちら
◆法令などの規制
法令名 |
内容 |
一級河川 |
国土保全上または国民経済上、特に重要な水系として、河川法により一級水系に指定された河川です。水系や形状の変更、水辺や水の利用等について制限があります。 |
地域森林計画対象民有林 |
森林の施業を計画的・合理的に行うため、森林法による計画がたてられた民有林で、伐採や開発行為の実施にあたっては、届け出または許可が必要です。 |
◆アクセス
・沖野に行く場合
豊橋鉄道市内電車 豊橋公園電停 下車徒歩15分。
[地図]