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第32回吉田文楽保存会定期公演

第32回吉田文楽保存会定期公演を開催します

 400年以上前の慶長の時代から受け継がれる豊橋市指定無形民俗文化財「飽海人形浄瑠璃」の公演を開催します。
 今年度は豊橋市に伝わる民話「お弓橋」を題材に作成したオリジナル演目「お弓橋心中 お弓橋の段」を、吉田文楽保存会による素瑠璃(太夫・三味線のみ)で初披露します。
 物語の情景や登場人物の台詞、心情を語る太夫、語りを彩る三味線、人形に命を吹き込む人形遣いが一体となって生み出される総合芸術をぜひお楽しみください。

 

定期公演チラシ

定期公演チラシ.pdf( 1263KB )

  

日時・演目など

○開催日時:令和5年11月5日(日)

      開場13時00分 開演13時30分

○開催場所:豊橋市民文化会館 ホール

○主  催:吉田文楽保存会

○共  催:豊橋市

○入 場 料:無料(申込不要、全席自由)

○演  目:

①お弓橋心中 お弓橋の段(おゆみばししんじゅう おゆみばしのだん)
 この演目は、令和3年度に豊橋市が実施した「伝統芸能後継者育成事業」において講師を務めた、人形浄瑠璃文楽座の豊竹藤太夫、鶴澤清志郎両師匠により教材として作られたものです。
 題材は地域に残る伝承であり、飽海人形浄瑠璃とも関連の深い民話「お弓橋」を選定し作成されました。

 お弓橋は、牛川薬師町と御園町の間を流れる朝倉川に架かる現存する橋であり、この地域を舞台にしたお話になっています。今回は、この演目を吉田文楽保存会が太夫と三味線のみの素浄瑠璃で演じます。

 

②二人三番叟 鈴の段(ににんさんばそう すずのだん)

 三番叟は五穀豊穣・子孫繁栄を願う舞いで、今ではその華やかさから劇場の開場や正月など祝賀行事の最初の出し物として取り上げられます。
 前半の「揉の段」の大地を踏みしめるような足拍子は「反閇」というもので、大地に潜む悪霊を払う意があります。後半の「鈴の段」では、鈴を右手に扇を左手に舞います。種まきの所作がありますが、農作業と同じ動作を模することで豊作を祈願します。途中で一人が疲れて休もうとするところを、もう一人が励ましつつも自分もこっそり休むという滑稽な場面を挟んで、華やかに舞い納めます。
 今回は後半の「鈴の段」を上演します。

 

③壺坂観音霊験記 沢市内より山の段(つぼさかかんのんれいげんき さわいちうちよりやまのだん)

 明治になって、西国三十三箇所の観音様にまつわる伝説を集めた「三十三所花の山」と題する浄瑠璃が作られました。この作品はその一つで、第六番札所の大和、壺坂寺の霊験によって、開眼の喜びを得た夫婦の物語です。盲目の座頭沢市とお里の夫婦の愛情と、観世音菩薩の霊験を、明快に分かりやすく描いています。

 この浄瑠璃に二代豊沢団平と加古千賀夫妻が筆を加えたのが本作で、明治12年に大阪大江橋席にて初演されました。同年20年に彦六座で三代竹本大隅太夫が語ってから流行曲となり、明治の新作の代表となっています。