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とよはしネイチャースポット保全マニュアル-表浜海岸 細谷・小島(ほそや・こじま)

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◆スポットの概要

  • 細谷・小島は、遠州灘沿いに浜名湖から渥美半島の伊良湖岬まで続く表浜(別名 片浜十三里)といわれる長大な海岸線の一部で、広い砂浜のある地域です。
  • 砂浜の背後は、なだらかな台地状で海岸林が帯状に発達しています。
  • 広く静かな砂浜にはアカウミガメが産卵のために上陸します。
  • 小島の小判田川(こばんでんがわ)は、海岸沿いの台地を削り、谷を形成し太平洋に注いでいます。谷沿いには水田があります。
細谷海岸の画像

表浜海岸(細谷海岸)

小判田の水田の画像

小判田の水田

◆観察のポイント

 広い砂浜と背後の海岸林による雄大な風景を見ることができます。

植物

海浜植物

海浜植物とは、波や風が強く、照りつける太陽と塩の影響を受ける、厳しい条件である海岸の砂浜に生育する独特の植物です。波打ち際を離れるとコウボウムギ・コウボウシバが一面に広がり、ハマエンドウ(4~7月)、ハマヒルガオ(5~6月)、ハマニガナ(4~10月)、ハマアザミ(6~12月)、ハマナデシコ(6~11月)の花などを見ることができます。さらに内陸側にはマルバグミ、ハマヒサカキ、オオバヤシャブシなどの低木が生育し、背後の海岸林につながっていきます。

コウボウムギの画像

コウボウムギ

ハマヒルガオの画像

ハマヒルガオ

海岸林

海岸線沿いに、帯状に照葉樹林があります。照葉樹とは、葉に厚みがあり表面につやがある常緑樹の総称です。この林は、集落にとって、海からの潮風や飛び砂の影響を緩和する点でも重要な役割を果たしています。照葉樹林は、海岸にハマヒサカキ、トベラ、クロマツ、オオバヤシャブシ、ネズミモチ、内陸にスダジイ、タブノキ、モチノキ、ヤブツバキ、ヒメユズリハ、カクレミノが多く、自然度が高い植生となっています。海岸近くのトベラなどの低木は、強い風の影響を受けて一定方向に木が傾いていますが、これを風衝樹形(ふうしょうじゅけい)といいます。

動物

アカウミガメ

アカウミガメが5~8月に上陸・産卵し、8~10月に子ガメがふ化・帰海します。これらは真夜中に行われることが多く、アカウミガメ自体を観察することは困難です。
なお、豊橋市では、郷土の自然とその保全の大切さについて考えていただくことを目的とした「アカウミガメの来る表浜海岸の自然観察会」を毎年開催しています。→「イベント情報」へリンク
アカウミガメの画像

海へ帰るアカウミガメ

海洋の鳥類

春から秋にかけては、オオミズナギドリやアジサシ類、冬にはハジロカイツブリやカンムリカイツブリ、アカエリカイツブリなどのカイツブリ類、アビやシロエリオオハムなどのオオハム類、クロガモ、ウミアイサ、時には珍しいビロードキンクロなどのカモ類を見ることもできます。

地形・地質

砂浜

広い砂浜では、風のない静かな朝には、波や風の作り出した砂の模様をみることができます。

小判田川

小判田川は、海岸線に近づくにつれ標高が高くなる表浜の台地を削り、遠州灘にそそぐ珍しい川です。

◆スポット保全のためのポイント

  • 表浜の照葉樹林帯は、自然度が高く貴重なので保全に努めましょう。
  • 自動車やバイクを砂浜に乗り入れないようにしましょう。
  • 海岸は、多くの市民が利用するので、環境美化に努めましょう。
  • 海浜植物群落は貴重な植生であるとともに、砂の飛散を防ぐ大切な役割も果たしているので、踏み荒らしたりすることのないよう保全に努めましょう。
  • キャンプファイヤーや花火など、深夜に大きな音や光をだすのはやめましょう。(特にアカウミガメの上陸産卵時期)
  • 野生のアカウミガメは、愛知県条例に基づく希少野生動植物種に指定されているので、許可なく捕獲するのは、やめましょう
  • 小判田川の水質保全に努めましょう。
  • 現地の生態系の保全のため、外部から動植物を持ち込まないようにしましょう。→ 「外来生物について」はこちら

◆法令などの規制

法令名 内容
地域森林計画対象民有林  森林の施業を計画的・合理的に行うため、森林法による計画がたてられた民有林で、伐採や開発行為の実施にあたっては、届け出または許可が必要です。
飛砂防備・防風・潮害防備保安林  飛砂、風害及び潮害の防備に必要な地区として、森林法により指定された森林。伐採や土地の改変・採取等について制限があります。
漁港区域(二川漁港)  漁港法により、天然又は人工の漁業根拠地となる水域及び陸域並びに漁港施設を定めたもので、第1種漁港(その利用範囲が地元の漁業を主とするもの)となっています。工作物の建設、土砂の採取、汚水放流、汚物の放棄、土地・水面の占有等について制限があります。

※このほか、自然公園法、海岸法などの法律により、表浜海岸全域への自動車、自動二輪車などの車両の乗入れが規制されています。

 【参考】 愛知県ホームページ「三河湾国定公園の表浜海岸の車両の乗入れ規制について」

◆アクセス

細谷海岸に行く場合

国道42号線「細谷」、「東細谷」交差点より車で10分
(公共交通機関は、ありません)
[地図]
・小島海岸に行く場合
  国道42号線「小沢小南東」交差点より車で10分
  (公共交通機関は、ありません)
[地図]

◆周遊ルート

 特に周遊ルートはありませんが、砂浜沿いに散策することができます。

◆お問合わせ先

■アカウミガメについては・・・

  豊橋市役所 環境部 環境保全課
   ( 0532 ) 51 - 2385
  豊橋市ホームページ「アカウミガメの来る表浜海岸」はこちら

■愛知県指定希少野生動植物種については・・・

  愛知県 環境局 環境政策部 自然環境課

■車両の乗入れ規制については・・・

  愛知県 東三河総局 環境保全課
   ( 0532 ) 54 - 5111 (代表)

 愛知県ホームページ「三河湾国定公園の表浜海岸の車両の乗入れ規制について」はこちら

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