総合文化学習センター(仮称)基本構想は、 第4次豊橋市基本構想・基本計画のリーディングプロジェクト 「まちなか文化の創造」に位置付けられた事業として、 中心市街地における活発な文化活動や交流活動の促進を図り、 総合的な文化活動の拠点となる施設の整備を進めるために、 策定したものであります。
この施設は、生涯学習、図書館、芸術ホールの3つの機能で構成し、 市民の知的、文化的、芸術的な活動を支援するとともに、 新たな地域文化の創造に寄与しようとするものであります。
そのため、基本構想の策定に当たっては、 市民の皆様から意見を募集するとともに、 市民や専門家が参加する「総合文化学習センター構想調査検討会」 における検討や市議会での審議などを踏まえ、策定作業を進めてまいりました。
今後も、総合文化学習センター(仮称)建設事業の推進に当たっては、 積極的に市民の皆様の意見を伺い、 新しい学びと芸術文化の創造の場を構築することを目指してまいりたいと考えます。
おわりに、本構想を策定するに当たり、ご意見ご協力をいただきました 市民の皆様や検討会委員の皆様に厚くお礼を申し上げますとともに、 今後の計画推進につきましても、 ご支援ご協力いただきますようお願い申し上げます。
平成14年9月
豊橋市長 早川 勝
―市民の学びと芸術文化活動拠点の形成―
1 学びと芸術文化活動の交流・連携拠点
総合文化学習センター(仮称)は、生涯学習、図書館、芸術ホールの3つの機能で構成します。ここでは市民が、文化を通じて「出会い」「学び合う」「触れ合う」ことから生まれる「交流と連携の拠点」を形成し、市民一人ひとりが、心豊かで潤いある生活の実現と地域文化の振興を目指します。
2 学びと芸術文化活動の創造拠点
総合文化学習センター(仮称)は、市民が、生涯学習・芸術文化活動と交流活動を通じて、「多くの人々と刺激を与え合う」ことにより、「新たな創造・飛躍」とそれを担う人材が誕生する学びと芸術文化活動の「創造の拠点」となることを目指します。
3 学びと芸術文化活動の情報発信拠点
総合文化学習センター(仮称)は、生涯学習・芸術文化活動に関連する「情報の収集、提供」を行い、それらの情報を用いて「いつでも、どこでも、だれでも」活動でき、親しめる環境を整備するとともに、それらの成果を全国に「情報発信できる拠点」となることを目指します。
4 学びと芸術文化活動の新しい協働の拠点
総合文化学習センター(仮称)は、 時代に先駆ける生涯学習・芸術文化活動の拠点として、 常に新たな発見と驚きや感動の場であり続けるために、 市民の自由で自主的な活動を支援し、 「市民やボランティア等との連携」を大切にする 「新しい協働の拠点」となることを目指します。
基本理念の実現のため、生涯学習、図書館、芸術ホールの基本的な機能は、 次のようなものとして考えていきます。 また、総合文化学習センター(仮称)全体が一つの施設として機能するよう、 一体的な整備・運営を行うとともに、 市民と職員が協働できる体制に配慮していきます。
生涯学習機能
1 総合的な生涯学習推進体制の確立
市民の多様かつ高度な学習活動を、市、大学、民間等と連携して総合的に推進していくための体制を整備するとともに、市民の事業参画を推進します。
2 総合的な学習体系の確立
市等が実施する事業を整理・再編し、必要な新規事業を加えることにより、 総合的な生涯学習体系の確立を図ります。
3 総合的な学習相談・学習情報センター
学習相談機能を充実するとともに、 広域的な情報収集活動や新たな情報の調査研究を行い、 様々な形での学習情報の提供を推進します。
図書館機能
1 立地を生かした図書館
都心にある図書館の特徴を生かし、通勤や通学、買い物等で中心市街地に訪れる人々と地域住民の図書館としての蔵書構成と運営を目指します。また、市民の生涯学習や芸術文化活動を支援します。
2 いつでも、だれでも気軽に利用できる図書館
利用者層や利用形態に合った配架やフロアを工夫するなど、誰でも気軽に 訪れたくなる雰囲気と利用者の動きやすさや分かりやすさに配慮し ます。
3 情報化社会を意識した図書館
情報機器等を活用して、情報収集や情報発信を行い、 利用者の知的活動を支援します。 また、中央図書館との図書館情報システムの構築を図ります。
芸術ホール機能
1 新たな舞台芸術文化の創造
専門スタッフや舞台芸術ボランティア、文化団体など多くの人々が、 交流できる施設とし、市民とともに新たな舞台芸術文化の創造に努めます。
2 高度な舞台設備を備えたホール
市民の創造豊かな自主活動を支援し、様々な舞台芸術活動を実現するため、高度な舞台設備を備えた800席程度のホールと創造活動の場の整備を目指します。
3 観やすく、演じやすいホール
観客が演劇等優れた舞台芸術を十分に堪能できるように、舞台と客席が一体感の持てる環境づくりに努めます。
4 市民とともに運営する施設
多様な市民ニーズに対応できる柔軟な管理運営体制や市民と職員との協働により、親しまれ、気軽に利用できる施設運営に努めます。
5 様々な舞台芸術の情報や技術の提供
全国の様々な舞台芸術に関する情報を収集し提供するとともに、専門知識や技術を手軽に学べる事業により、舞台芸術の普及に努めます。
市民文化の広がりや芸術文化の振興のために、 市民の自主的な学習・芸術文化活動を支援する事業を展開します。
生涯学習機能
市民企画支援
1 市民自主企画・運営講座事業
講座の自主企画や自主運営を支援する仕組みを整備し、市民の自主的な生涯学習活動の推進を図ります。
学習提供
2 市民大学推進事業
現在、本市で実施されている各種講座を再編成するとともに、能力開発のための学習や現代的課題への学習を推進します。
3 オープンユニバーシティ事業
市民が求める高度な学習に対応するために、大学と市が連携して、オープンユニバーシティ事業に取り組みます。
学習連携
4 民間・大学・他都市連携事業
民間、大学、他都市が実施する公開講座等について、 積極的に場所の提供を行うとともに、連携講座を企画し実施します。
学習相談
5 生涯学習アドバイス事業
学習機能を充実・支援するため、 専門別の相談員による学習相談の窓口を開設します。
情報収集・提供
6 情報収集・提供事業
広域的に学習・講座、文化事業、人材、市民活動などの情報を収集し、 提供することにより、 学習・文化活動を誰でもが享受できる環境の整備に努めます。
7 調査研究情報提供事業
市民が必要とする学習等の情報をテーマ別に調査研究し、その情報を提供していきます。
生涯学習企画・運営協働体制推進
8 学習活動支援ボランティア養成事業
市民と職員の協働による生涯学習の事業推進のため、生涯学習アドバイザー、生涯学習情報ボランティア等を養成します。
学習交流
9 学習成果発表事業
市民に学習発表の場を提供するとともに、学習・文化による市民交流を推進するためにイベント等を実施します。
図書館機能
図書資料の収集・提供
1 図書資料収集・提供事業
市民ニーズの高い図書資料や常に新鮮な図書資料を、 図書館相互の重複等に配慮しながら収集・提供します。
2 特色ある資料の収集と提供
市民の多種多様な学習活動や芸術文化活動を支援するため、図書資料の収集を行い、資料提供に努めます。
情報機器による情報提供
3 情報機器を活用する場の提供
市民が情報機器を活用して必要な図書情報等を自ら入手する活動を支援するた め、情報機器を活用する場を提供します。
4 情報機器を活用したサービス
視聴覚資料や電子資料を充実し提供するとともに、インターネット等による本の予約を受け付けます。
5 情報入手支援事業
市民が学習や仕事等に関連して、必要とする分野の情報を入手する活動を支援するため、情報のコーナーを設けます。
読書活動啓発・普及
6 本と図書館に親しむ事業
読書推進のため、読書相談、講演会、展示会等の事業や図書館ボランティアによる本の読み聞かせ等も行います。
芸術ホール機能
鑑賞・体験
1 自主企画による舞台芸術鑑賞事業
市民の舞台芸術へのニーズに応えるために、自主企画による舞台芸術の鑑賞の機会を提供します。
2 舞台芸術体験事業
市民が舞台芸術に親しめるように、 気軽に様々な舞台芸術を体験できる事業を提供します。
空間・設備貸与
3 市民等への舞台空間・設備貸与事業
市民等が行う舞台芸術の発表や公演のために、舞台空間・設備を貸与し、舞台芸術活動を支援します。
人材の育成
4 舞台芸術に関連する専門家養成事業
舞台芸術関係者等を対象に、アートマネジメント(芸術の企画・運営等)講座等を実施し、文化創造を支援します。
5 舞台芸術ボランティア養成事業
事業の企画や運営にも参加できる舞台芸術ボランティアを養成し、 市民の舞台芸術活動への参加の機会を拡充します。
交流・学習・相談
6 舞台芸術サロン事業
芸術ホールが身近なホールとなるように、市民、文化団体、芸術家、ホールスタッフ等が交流できる文化サロンの機会と空間を提供します。
7 舞台芸術学習・相談事業
市民が舞台芸術活動に気軽に参加できるように、専門家による舞台芸術に関する講座や相談事業などを実施します。
情報の収集・提供
8 舞台芸術情報の収集・提供事業
舞台芸術に関する情報の収集に努め、 情報誌の発刊等により文化情報を提供します。
活動支援
9 地域の舞台芸術活動支援事業
地域の文化活動の育成や活性化のため、 文化創造団体の舞台芸術活動を支援します。
誰もが利用しやすく、親しみやすい施設とするため、市民の自主的な利用に配慮するとともに、開館日や開館時間についても、利用者の利便性を考慮した管理運営を目指します。
生涯学習機能
1 民間・大学との連携
高度な市民ニーズに対応するため、 民間・大学と連携した事業の実施や場所の提供等の管理運営を行います。
2 施設全体の有効利用
総合文化学習センター(仮称)全体を多様な学習活動の拠点として考え、市民が様々な活動や学習に幅広く利用できる管理運営を目指します。
図書館機能
1 利用者サービスを考慮した管理運営
本の貸出しや返却に利便性を図るため、自動貸出返却装置も導入し、利用者サービスに努めます。
2 相互協力体制をとる管理運営
中央図書館を中心とし、市内の大学をはじめ他の公立図書館等との相互貸借ネットワークを整備し、利用者の利便性に配慮した管理運営を行います。
芸術ホール機能
1 利用者のニーズを考慮した管理運営
創造活動の場とするため、一定期間の練習や制作活動に対応するなど、利用者のニーズに応じた弾力的な管理運営を目指します。
2 開放的な管理運営
市民の気軽な活動の場とするため、ホールのロビーをミニコンサートや展示会等にも活用するなど、開放的な管理運営を目指します。
3 市民の自主的な利用を考慮した管理運営
市民の自主的な利用と使いやすい施設にするため、施設配置等に配慮し、市民が施設を最大限利用できる管理運営を目指します。
市民の生涯学習や芸術文化活動を推進するため、市民と職員が協働して企画・運営を行う組織・体制の確立を目指します。また、必要に応じて専門家等のスタッフを配置し、多様かつ高度な学習・図書・舞台芸術活動の展開と人材の交流を進めます。
生涯学習機能
1 オープンユニバーシティ推進組織の配置
多様かつ高度な学習活動の機会を提供するため、大学と市の積極的な協力・連携によりオープンユニバーシティを推進する組織体制を構築していきます。
2 市民や学習活動支援ボランティアと職員との協働
講座の企画、学習相談、情報の収集・発信等を中心として、市民やボランティアと職員が協働して運営できる体制の整備に努めます。
図書館機能
1 市民ニーズに応える図書館サービスの運営組織
利用者の利便性に配慮した管理運営と質の高い図書館サービスを維持するため、 司書有資格者を配置するとともに、 情報化社会の図書館に対応できる運営組織を目指します。
2 市民や図書館ボランティアと職員との協働
利用者の立場を尊重し、市民ニーズに応じた運営を行い、 市民やボランティアと職員との協働を大切にします。
芸術ホール機能
1 芸術監督やアートスタッフを配置した組織体制
質の高い芸術文化を提供するため、 芸術監督やアートスタッフ等の専門家の配置等も検討し、 高度な事業展開や舞台芸術活動のアドバイスなど、 舞台芸術活動のレベル向上と普及に努めます。
2 市民や舞台芸術ボランティアと職員との協働
市民が創る施設の理念を実現するため、事業の企画や運営等に参加する市民やボランティアと職員が協働して、芸術ホールの事業の質の向上と、一層きめ細やかな対応を図ります。
総合文化学習センター(仮称)は、 生涯学習や芸術文化への市民ニーズに応えるため、 市民の自主的な学習活動と芸術文化の実践を支援する新しい文化施設です。 そのため、次のように既存の施設との役割や目的を明確にして、 効果的・効率的な事業運営に努めます。
1 生涯学習機能
生涯学習関連施設、 大学・民間等を含めた豊橋全域の生涯学習活動を総括する施設で 広域的な学習情報センター機能を持つものとします。 地区・校区市民館は、 地域における市民活動・生涯学習活動の拠点施設として位置付け、 お互いに幅広い情報交換や連携により、生涯学習の一層の推進を図ります。
2 図書館機能
駅に近いという立地条件を生かし、 通勤、通学、買い物等で中心市街地に訪れる人々や地域住民を対象とし、また、 生涯学習や芸術文化に配慮した蔵書構成と情報機器を活用した図書館とします。 中央図書館は、基幹図書館として、 幅広い図書資料の収集や提供を行っていきます。
3 芸術ホール機能
演劇等を主体とする舞台芸術系の中ホールとしての整備を目指すものとし、文化会館については、音楽系の多目的中ホールとして、ライフポートとよはしコンサートホールについては、音楽専用の大ホールとして、また、公会堂については、大会・式典等の多目的中ホールとして、それぞれ専門性や特色を持たせたものとしていきます。
1 建設場所
総合文化学習センター(仮称)建設事業は、 第4次豊橋市基本構想・基本計画のリーディングプロジェクト 「まちなか文化の創造」に位置付けられた事業として、 豊橋東口駅南地区の再開発事業予定地を建設場所とするものです。
2 建設計画
建設計画については、 豊橋東口駅南土地区画整理事業及び市街地再開発事業 の進捗に合わせて整備していきます。