背景色 文字
本文へ移動
メニューへ移動
ランゲルハンス島と金色島と豊橋駅(山下 智江子)

line2logo

ランゲルハンス島と金色島と豊橋駅(山下 智江子)

島が浮いている画像

 十年ほど前に急性膵炎にかかった。食事療法のため膵臓の病気にまつわる本を読んで、ランゲルハンス島という器官が膵臓にあることを知った。そもそも膵臓がどこにあって何をする臓器なのか考えたこともなく、身体の中に「島」があることを知り驚いた。
 豊橋公園の北側、吉田城から見下ろせる場所に金色島(こんじきじま)はある。島と名が付いているが、実際は陸続きである。一級河川の豊川(とよがわ)河口近くにある砂州で、中央部に繁茂するこんもりとした森や砂場が夕日に照らされ金色に輝くことが名前の由来になったらしい。毎日目にしているのに、気にもしていなかった「島」が職場の近くにもあった。
 豊橋駅は、全国的に知名度は低いが、豊橋市民にとっては自慢の「新幹線のひかりも停まる駅」だ。たとえ気づかれにくくても、ランゲルハンス島のように重要な役割を果たし、金色島のように輝いている『ひかり』は、けっこう身近にたくさんある。

作品一覧(vol.2)に戻る


line2