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くすのき通り(西尾 祥一)

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くすのき通り(西尾 祥一)

クスノキの写真

豊橋のまちの中、道路のど真ん中に大きなクスノキが立っている。
年がら年中活き活きした緑いっぱいの姿で。
クスノキは常緑樹。
しかし、ずっと同じ着物を着ているのではなく古くなれば着替えをする。つまり落ち葉を落とす時期があるのだ。
そんなクスノキを見て人は言う。
「落ち葉ばっか多くてたまらない。もっと小さくしてほしい。」

クスノキは嫌われものなのだろうか?
たぶん違う。
昭和26 年に植えられたクスノキは、この地に66 年住んで、このまちの変化を見守ってきた。ともに暮らす地域の人たちも、落ち葉の清掃などを日々行って、ずっとクスノキの面倒を見続けてきたのだ。
つまり、そこには我が子を思うような深い愛情が存在しているのである。

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