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街道を見守る岩屋観音(大川 朝子)

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街道を見守る岩屋観音(大川 朝子)

岩屋観音の画像

 JR東海道線、二川駅。その西方の小高い岩山の上に岩屋観音像が立っている。
奈良時代に行基が千手観音を刻んで岩窟に安置したのが起源という。東海道を往来する旅人たちの信仰を集めたそうだ。江戸時代、吉田大橋の架替が難工事で、困り果てた大工が観音堂に参籠し、観音様のお告げにより橋を完成させた。それに感謝して明和2年に岩屋山頂に観音立像を建立したが、太平洋戦争で供出され、現在の像は昭和25年に再建されたといわれている。
 国道一号線は、二川宿があった旧東海道であり交通の要所だった。
 人生に迷ったときは観音像の建つ岩山に登って、観音様が見ている景色と同じ眺めを見る。
 季節の移り変わりを感じながら、30 年以上観音様下の国道一号線を通勤のため車で走っているが、今春には退職する。
 これからは趣味の美術館巡りや旅を楽しむため、歴史書などを読みたい。
 御無沙汰していた図書館通いを観音様に見守っていただきたいと思う。

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