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次男は過去にいじめられていた!

【Iさんのプロフィール】

福岡県出身 東京世田谷区在住
7年前離婚して三人の男の子を育てるシングルマザー
個別指導塾にて小学生に国語を教える塾講師

しんぐるまざあず・ふぉーらむ所属

 

 

次男は過去にいじめられていた!

 

 離婚して1年ほど経った頃、勤めていた会社から部署異動を言い渡されました。私は大学卒業後から、とある大手アパレル会社に20年ほど勤めていたのですが、数年前から大量早期退職者の募集、直営店の多数閉鎖を行うなど、業績が大変芳しくなく、先輩方も多数退職していきました。


 私は都内の支社でデスクワークを20年ほどやっていたのですが、新しい異動先は千葉県浦安市にある倉庫でした。ネット通販で問題のあった商品や、返品された商品をお直しする商品管理部という部署です。世田谷の自宅から職場までは電車を3本乗り換え、その後バスに乗って2時間弱かかるのですが、私が出勤する時間のバスは1時間に2本ほどしかありません。電車が遅れ、歩くはめになると駅から職場まで40分ほどかかります。職場の周辺は埋立地で倉庫しか建っておらず、ダンプカーなどが走り、人は全然歩いていないような所でした。


 私は1人親で子どもが3人いて、家事も大変なのでそこへの異動はしたくないと人事に何度も掛け合ったのですが、会社命令ということで従わざるを得ませんでした。長時間の通勤、蒸気の出る重たいアイロンを使っての作業、重たいパッキン移動、終日の立ち仕事等は長年デスクワークだった私には辛く、だんだん疲れがたまって、週末は背中が痛くて寝込むようになり、家事もままならなくなってしまいました。その後もしばらくは頑張って勤務していたのですが、とうとう身体を壊して休職になりました。

 

 

 

 休職してずっと家にいるようになったある日、部屋でボーッと座っていたところ、次男が私に近寄ってきていろいろ話を始めました。その時次男は中学1年生だったと思います。しばらく話を聞いていると、いきなり「自分は小学1年生の時、同級生にいじめられていたんだ」という話を始め、私はものすごく驚きました。


 次男は小学1年生の時に学校に行きたがらない時期がありました。いつまでも家から出ようとしないので、早く会社に行きたい私は次男を外に引きずり出すのですが、1月の寒い日に学校へ行ったと思ったら次男は家の近くにずっと隠れていて、私は会社に出勤できない、そのような日がしばらく続き、とても困った時期がありました。


 その後、次男は自然に小学校に行き始めたので、私はその事を忘れていたのですが、なんとその時期にいじめられていたらしいのです。私はその事を6年も後に知ったのです。私はめちゃくちゃショックを受けました。母親なのに子どもがいじめられていたことに、全く気づかなかった自分に対してです。


 次男は、いじめてきた子ども達との関係を自分で解決し、学校に行けるようにしたらしいのです。とても辛かっただろうに自分の力で解決したのです。その時期、長男は小学3年生、三男は保育園児。私は仕事が大変な時期で、仕事、家事、育児でいっぱいいっぱいとなり、学校に行かない次男にイライラし、次男のことを思いやったり、彼の状況を推測したりする余裕が全くありませんでした。それなのに寒空の下に次男を力ずくで放り出したりして、自分はなんていう親だったんだろうってとても後悔しました。しかもそのことを知ったのが6年も後だったなんて。


 きっと次男がいじめにあっていた時期、私は子ども達の前でいつもキリキリしていて、忙しいオーラ全開だったのだと思います。常にイライラしてバタバタと駆け回っている母親。そんな余裕のない母親にゆっくり話を聞いてもらおうなんて誰も思いませんよね。次男は、私が休職して体力的にも精神的にも余裕があるように見えたので、近寄ってきて話をしてくれたのです。休職になる原因は辛いことでしたが、休職して子ども達とゆっくりした時間が取れたのはとても幸せなことでした。

 

 


 よく電車の中で、眉間にシワを寄せ凄い形相でスマホを見ている大人達を見かけますが、もし家の中で父親、母親がそうであったら、子ども達は話したいことがあってもとても話しかける気にはなりませんよね。また「お母さん」と声を掛けられても、「ああちょっと今忙しいから」などと言っていませんか?


 いや、実際子育てしている時期、しかも仕事もしていたら息つく暇もないくらい忙しいですよ。私もそうでした。でも自分のためにも、子ども達のためにも余裕を持つように努めてください。親が倒れてしまったら一番困るのは子ども達です。特に1人親の場合は。それに大切な可愛い子ども達と過ごし、関係性を作っていく貴重な時期は今しか持てないのですよ。