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豊橋市男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりを推進する条例

豊橋市男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりを推進する条例(平成16年3月31日公布。豊橋市条例第5号)

 我が国では、日本国憲法で個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女共同参画社会の実現に向けては、男女共同参画社会基本法の制定をはじめ、法律や制度が次第に整備されてきた。
 豊橋市においても、男女共同参画行動計画の策定や女性会館の開館など男女共同参画社会実現のための様々な取組を行ってきたが、今もなお、性別による固定的な役割分担等を背景とした課題が残されている。また、近年では、性別、性的指向又は性自認を理由とする差別、偏見等の課題もあり、より一層の取組が必要とされている。
 こうした状況の下、これからの少子高齢社会の進展や家族形態の多様化などを展望したとき、全ての人が性別、性的指向又は性自認にかかわりなく、人として尊重され、個性と能力を十分に発揮することができるとともに、多様な生き方を認め合い、社会の対等な構成員としてあらゆる分野における活動に参画できる男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会の実現は、重要な課題である。
 そこで、市、市民、事業主、市民活動団体等が協働して、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会の形成に関する取組を一貫性を持って総合的、計画的に推進し、全ての人が性別、性的指向又は性自認にかかわりなくいきいきと暮らせるまちづくりに資するため、この条例を制定する。(一部改正〔令和4年条例41号〕)

第1章 総則

  (目的)
第1条 この条例は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進について、基本理念を定め、市、市民、事業主、市民活動団体及び教育に携わる者の役割を明らかにするとともに、施策の基本的事項を定め、これを総合的、計画的に推進することにより、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会の形成に寄与することを目的とする。

(一部改正〔令和4年条例41号〕)
  (定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 男女共同参画 全ての人が性別、性的指向又は性自認にかかわらず、社会の対等な構成員として、自らの意思によって家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野(以下「社会のあらゆる分野」という。)における活動に参画する機会が確保され、もって全ての人が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 性的指向 自己の恋愛又は性愛の対象となる性別についての指向をいう。
(3) 性自認 自己の性別についての認識をいう。
(4) 積極的改善措置 社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る性別による格差を改善するため、必要な範囲内において、当該機会を積極的に提供することをいう。
(5) セクシュアル・ハラスメント 本人の意図にかかわらず、性的な言動により相手方の生活環境を害すること、又は性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与えること(同性に対するもの及び相手方の性的指向又は性自認にかかわらず行われるものを含む。)をいう。
(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者等に身体的、精神的、性的又は経済的な苦痛を与える暴力的行為をいう。
(7) 性暴力 望まない性的な言動をいう。

(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (基本理念)
第3条 男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりは、次に掲げる基本理念にのっとり推進されなければならない。
(1) 全ての人が、個人としての尊厳が重んじられ、性別、性的指向、性自認又は性別表現(服装、仕草、言葉遣い等により表現する性別をいう。)による差別的取扱いを受けることなく、自己の意思と責任によりそれぞれの生き方を選択し、個性と能力を発揮する機会が均等に確保され、及びその他の人権が尊重されること。
(2) 性別による固定的な役割分担意識に基づく社会制度や慣行が、全ての人の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。
(3) 全ての人が、対等な構成員として社会のあらゆる分野で方針の決定、計画の立案等に参画する機会が確保されること。
(4) 全ての人の家庭生活における活動について、性別、性的指向又は性自認にかかわらず、それぞれの協力と社会の支援の下、子の養育、家族の介護等の役割を円滑に果たし、かつ、その他の活動と両立できるよう配慮されること。
(5) 全ての人が性の多様性を理解するとともに、性的指向又は性自認が尊重され、他の誰からも干渉又は侵害を受けないこと。
(6) 全ての人が、妊娠、出産その他の性と生殖に関する事項を理解し、生涯を通じて健康的な生活を送ることができるよう自らの意思が尊重されること。
(7) 男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進が国際社会における取組と密接な関係にあることから、国際的な理解と協力の下に行われること。

(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (市の役割)
第4条 市は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的、計画的に実施するものとする。
2 市は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策を実施するに当たり、国、県、市民、事業主、市民活動団体等と相互に連携し、協力を図るよう努めるものとする。
3 市は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策を実施するために必要な体制を整備するとともに、財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
4 市は、自らが率先し、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりを推進するものとする。

(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (市民の役割)
第5条 市民は、社会のあらゆる分野において、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会についての理解を深め、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に努めるものとする。
2 市民は、市が実施する男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(一部改正〔令和4年条例41号〕)

 (事業主の役割)
第6条 事業主は、全ての人が職場における活動に対等に参画する機会を確保するとともに職場、家庭その他の活動が両立して行うことができるよう職場環境の整備に努めるものとする。
2 事業主は、市が実施する男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(一部改正〔令和4年条例41号〕)

 (市民活動団体の役割)
第7条 市民活動団体は、その活動に関し、方針の決定、計画の立案等において全ての人が性別、性的指向又は性自認にかかわらず参画する機会を確保するよう努めるものとする。
2 市民活動団体は、市が実施する男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (教育に携わる者の役割)
第8条 家庭教育、学校教育、社会教育その他の教育に携わる者は、第3条の基本理念に配慮して教育を行うよう努めるものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (性別、性的指向又は性自認による権利侵害の禁止)
第9条 何人も、社会のあらゆる分野において、性別、性的指向又は性自認による差別的取扱い及びセクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。
2 何人も、個人の尊厳を踏みにじるドメスティック・バイオレンス又は性暴力を行ってはならない。
3 何人も、性的指向又は性自認の公表を本人に対して強制又は禁止してはならない。
4 何人も、本人の意に反して性的指向又は性自認を公表してはならない。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (情報の表示に関する留意)
第10条 何人も、広報、報道、広告等において、性別による固定的な役割分担若しくは暴力を助長させる表現又は過度の性的表現を行わないように留意するよう努めるものとする。

 

第2章 基本的施策等

 (基本計画の策定)
第11条 市長は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策を総合的、計画的に実施するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。
2 市長は、基本計画の実効性を高めるため、その進行管理に係る適切な手法を導入するものとする。
3 市長は、基本計画を定めるに当たっては、第20条第1項の規定により置かれる豊橋市男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくり審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くとともに、市民、事業主及び市民活動団体等の意見を反映できるよう措置を講ずるものとする。
4 市長は、基本計画を定めたときは、速やかに公表するものとする。
5 前2項の規定は、基本計画を変更する場合について準用する。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (積極的改善措置のための支援)
第12条 市は、社会のあらゆる分野における活動に参画する機会の格差が男女の間に生じている場合、事業主等に対し、積極的に格差を改善するための支援を講ずるよう努めるものとする。
 (実施状況の公表)
第13条 市は、毎年度、基本計画に基づいた男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策の実施状況、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進状況等の報告書を作成し、公表するものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (学習の支援等)
第14条 市は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会についての関心と理解を深めるため、市民の学習を支援するとともに、家庭教育、学校教育、社会教育その他の教育において必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (調査研究)
第15条 市は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関し調査研究を行い、必要に応じてその結果を公表するものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (情報提供及び広報活動)
第16条 市は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進活動を行う市民、事業主、市民活動団体等に対し情報の提供その他必要な支援を行うとともに、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会に関する理解を深めるための広報活動を行うものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (苦情の申出と処理)
第17条 市民、事業主、市民活動団体等は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策又は市が実施する施策で男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に影響を及ぼすと認められるものについて苦情がある場合は、市長に申し出ることができる。
2 市長は、前項に規定する申出があった場合は、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (相談の申出と処理)
第18条 市は、市民から第3条の基本理念に関し、権利侵害に関する相談の申出があった場合は、関係機関と連携を図り、適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 (拠点施設の整備)
第19条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため、拠点施設の整備に努めるものとする。

 

第3章 男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくり審議会

 第20条 市長は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関し必要な事項を調査審議させるため、審議会を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する重要事項を調査審議する。
3 審議会は、男女共同参画及び性の多様性を尊重する社会づくりの推進に関する施策及び必要な事項について、市長に意見を述べることができる。
4 審議会は、市長が委嘱する委員10人以内で組織する。
5 市長は、前項の規定による委嘱に当たり、委員の構成について、性別の偏り及び性の多様性に配慮しなければならない。
6 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 審議会に、専門的な事項を調査するため必要があるときは、専門部会を置くことができる。
8 専門部会は、市長が委嘱する専門委員若干人で組織する。
9 専門委員は、当該専門的な事項に関する調査が終了したときは、解嘱されるものとする。
10 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。
(一部改正〔令和4年条例41号〕)
 

第4章 雑則

 (委任)

第21条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関して必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に定められている豊橋市男女共同参画行動計画については、第11条第1項の規定により定められた基本計画とみなす。
(豊橋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 豊橋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年豊橋市条例第34号)の一部を次のように改正する。
別表第1中「表彰審査委員会委員」を「表彰審査委員会委員 男女共同参画審議会委員」に改める。
附 則(令和4年12月16日条例第41号)
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に豊橋市男女共同参画審議会委員である者の任期については、なお従前の例による。
(豊橋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 豊橋市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年豊橋市条例第34号)の一部を次のように改正する。
次の表のように改める。